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きっとすぐに会える……
それは、分かっている
けれど――
夕暮れの少し涼しさを含む風が吹き込んできて、和泉は顔を上げた。
強い日差しが降り注ぐ昼間の暑さが、ようやく落ち着こうとしている。
「まだ、明るい…なぁ」
出掛けようと思えば、まだ散歩くらいなら出られそうだ。
とはいえ、おそらく。
抜け出そうものなら、ライコウに見つかって怒られるだろう。
小さく肩を竦め、和泉は苦笑を浮かべた。
「そういえば、もうすぐなんだよなぁ」
先日。
晴明から話を聞かされてから、日を数えるのが癖になり始めていた。
今日も式神・弐号が何やら騒いでいたことを思い出し、くすくすと笑う。
――俺も楽しみなのは確か、だけどね
いくつかの予感。
きっと、それは小さいけれど大きな出会いになるだろう。
そして……きっと、何かが大きく変わる。
そんな予感がしていた。
「待ち遠しいよ」
浮かぶのは笑み。
和泉は、赤い色に染まり始めた空を見上げた。