忍者ブログ

よみぢのほだし

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ぽっきーげぇむ

11月11日はポッキーの日ということで、たまにはポッキーゲームなお話でも書いてみようかと思い、不意に思い付いて勢いで書いてみました。
しかも和彩で。
ほら雅恋の場合は、弐号くんっていう、どっかから余計な知識仕入れてくるキャラおるから!


続きに入れてるので、興味ある方はどうぞ
多分、エンド後






「式神ちゃん、ほら、あーん」
「えっ!?」

突然、細長い何かを私の口元に差し出してきた和泉。
驚いて目をぱちくりさせていると、にっこりと笑いながら、和泉はまた、あーんと言った。

--え、えっと……

この細長いのはいったい何だろう?
和泉と細長いそれを交互に見るわたし。

「どうしたの?……あぁ、これかい」

わたしは、うんうんと頷いた。

「変なものじゃないよ、ただのお菓子だから」

--お菓子?

「ほら、あーん」

楽しそうな和泉の顔。
逃げようがなくて、仕方なく、わたしは口を開けた。
その細長い菓子を、和泉はわたしの口の中へと差し入れる。
そして

「あ、まだ食べちゃったらダメだからね」

え?
わけがわからず、口を開けたままのわたしは、和泉の顔を見た。

「あ、口は閉じちゃってもいいよ」

言われるまま口を閉じる。
唇と口の中に、仄かに甘い風味が溶けて広がる。

「そう。そのまま咥えててね」

返事できないままで、わたしは和泉を見つめる。

えぇっ!!

「動いちゃダメだよ」

言いながら、和泉の顔が近づく。
そして和泉は、わたしが咥えたままの細長いそれの反対側の端へとかじりついた

--な、な、な……

わたしをじっと見つめながら、和泉は端から菓子を食べ始める。
少しずつ近づいてくる和泉に、わたしは身動きとれないままで、それを見つめていた。

--い、和泉?

顔が熱い。

--ど、どうしよう……

和泉の息を感じて、ふるりと身体が震えた。

--あっ!

その時。
間近まで迫っていた和泉とわたしとの間で、細長いそれがポキリと折れてしまう。

「…………」
「……あ~あ、残念」

悔しげに和泉が呟く。

「え、あ……ごめん」
「キミのせいじゃないよ」

そう言って、和泉が笑った。

「それじゃ、今度はキミの番だよ」
「えっ?」

はい、と菓子を渡されて、わたしは戸惑う。
けれど、期待した顔で待つ和泉には、勝てなかった。

「あ、うん……」
「反対側から食べて、途中で折れちゃったら負けだよ」

和泉の説明を受けて、今度は、わたしが和泉の口元へと菓子を近づける。
菓子を咥えてわたしを待つ和泉。

--うぅ……

よく考えてみなくても、かなり恥ずかしい。
でも、和泉の目が、早くとわたしを急かす。

えぇい!

目を閉じたまま、わたしは、さっき和泉がやったみたいに反対側の端から食べ始める。
菓子は、サクサクして甘くて美味しいけど、それどころではない。
必死にかじって……わたしはふと、それに思い当たった。

--折れたら負けって言ってたけど、折れなかったら……

菓子の反対側は和泉が咥えている。
それはつまり……
そこにあるのは、和泉の………

--っ!?

はっとして、わたしは目を開いた。
そして、そのまま硬直してしまう。
和泉の顔は思った以上に近いところにあって、わたしのことをじっと見つめていた。
ドキドキと胸が激しく鳴り響く。
動けないままのわたし。

--あっ!

ふわりと、和泉が微笑んだ。
吐息を間近に感じる。
思わず、ぎゅっと目を閉じた。

「んっ」

唇に何かが触れた。
それは甘くて柔らかくて……

--え?

開いたまぶたの向こう。
至近距離に和泉の顔があった。
わたしの唇に触れている和泉の唇。
それは、いつもよりも甘くて溶けてしまいそうだった。

「……甘いね」

ゆっくりと離れていった和泉が、甘い声で囁く。
何も言えないままのわたし。

「もう一度やる?」

和泉の指が、細長いお菓子をつまむ。
わたしは……
熱に浮かされたように、ぽーっとなったままで頷いた。

「それじゃ。彩雪……あーん」

言われるまま口を開けば、唇に触れる菓子。
その甘さは、このあとにまた訪れるだろう甘い口づけを予感させる。

「じっとしててね」

頷いて、わたしは近づいてくる和泉をじっと待った。
PR