ぽっきーげぇむ つれづれ言の葉(SS有) 2013年11月11日 11月11日はポッキーの日ということで、たまにはポッキーゲームなお話でも書いてみようかと思い、不意に思い付いて勢いで書いてみました。しかも和彩で。ほら雅恋の場合は、弐号くんっていう、どっかから余計な知識仕入れてくるキャラおるから!続きに入れてるので、興味ある方はどうぞ多分、エンド後 「式神ちゃん、ほら、あーん」「えっ!?」突然、細長い何かを私の口元に差し出してきた和泉。驚いて目をぱちくりさせていると、にっこりと笑いながら、和泉はまた、あーんと言った。--え、えっと……この細長いのはいったい何だろう?和泉と細長いそれを交互に見るわたし。「どうしたの?……あぁ、これかい」わたしは、うんうんと頷いた。「変なものじゃないよ、ただのお菓子だから」--お菓子?「ほら、あーん」楽しそうな和泉の顔。逃げようがなくて、仕方なく、わたしは口を開けた。その細長い菓子を、和泉はわたしの口の中へと差し入れる。そして「あ、まだ食べちゃったらダメだからね」え?わけがわからず、口を開けたままのわたしは、和泉の顔を見た。「あ、口は閉じちゃってもいいよ」言われるまま口を閉じる。唇と口の中に、仄かに甘い風味が溶けて広がる。「そう。そのまま咥えててね」返事できないままで、わたしは和泉を見つめる。えぇっ!!「動いちゃダメだよ」言いながら、和泉の顔が近づく。そして和泉は、わたしが咥えたままの細長いそれの反対側の端へとかじりついた--な、な、な……わたしをじっと見つめながら、和泉は端から菓子を食べ始める。少しずつ近づいてくる和泉に、わたしは身動きとれないままで、それを見つめていた。--い、和泉?顔が熱い。--ど、どうしよう……和泉の息を感じて、ふるりと身体が震えた。--あっ!その時。間近まで迫っていた和泉とわたしとの間で、細長いそれがポキリと折れてしまう。「…………」「……あ~あ、残念」悔しげに和泉が呟く。「え、あ……ごめん」「キミのせいじゃないよ」そう言って、和泉が笑った。「それじゃ、今度はキミの番だよ」「えっ?」はい、と菓子を渡されて、わたしは戸惑う。けれど、期待した顔で待つ和泉には、勝てなかった。「あ、うん……」「反対側から食べて、途中で折れちゃったら負けだよ」和泉の説明を受けて、今度は、わたしが和泉の口元へと菓子を近づける。菓子を咥えてわたしを待つ和泉。--うぅ……よく考えてみなくても、かなり恥ずかしい。でも、和泉の目が、早くとわたしを急かす。えぇい!目を閉じたまま、わたしは、さっき和泉がやったみたいに反対側の端から食べ始める。菓子は、サクサクして甘くて美味しいけど、それどころではない。必死にかじって……わたしはふと、それに思い当たった。--折れたら負けって言ってたけど、折れなかったら……菓子の反対側は和泉が咥えている。それはつまり……そこにあるのは、和泉の………--っ!?はっとして、わたしは目を開いた。そして、そのまま硬直してしまう。和泉の顔は思った以上に近いところにあって、わたしのことをじっと見つめていた。ドキドキと胸が激しく鳴り響く。動けないままのわたし。--あっ!ふわりと、和泉が微笑んだ。吐息を間近に感じる。思わず、ぎゅっと目を閉じた。「んっ」唇に何かが触れた。それは甘くて柔らかくて……--え?開いたまぶたの向こう。至近距離に和泉の顔があった。わたしの唇に触れている和泉の唇。それは、いつもよりも甘くて溶けてしまいそうだった。「……甘いね」ゆっくりと離れていった和泉が、甘い声で囁く。何も言えないままのわたし。「もう一度やる?」和泉の指が、細長いお菓子をつまむ。わたしは……熱に浮かされたように、ぽーっとなったままで頷いた。「それじゃ。彩雪……あーん」言われるまま口を開けば、唇に触れる菓子。その甘さは、このあとにまた訪れるだろう甘い口づけを予感させる。「じっとしててね」頷いて、わたしは近づいてくる和泉をじっと待った。 PR