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よみぢのほだし

ハロウィンですか

とりあえず。
急遽、和泉botは対応させてきた!
そして、いずさゆbotからお越しの方、ありがとうございます。

和彩ハロウィンのネタの前半を、まずは晒します。
余計なことを、どこかで覚えてきた弐号くんから聞いたんだと思いますよ、宮様は。

と、ゆーわけで、和泉×彩雪でハロウィン その1




「あ、式神ちゃん」
「どうしたの?和泉」

 声を掛けられて振り返った彩雪の目に入ったのは、にこにこと笑みを浮かべる和泉の姿。
 小さく首を傾げながら問う彩雪に、和泉が、唐突に問いかけた。

「ねぇ、お菓子持ってたりとか、する?」

 目を瞬かせ、彩雪は問われたことを頭の中で反芻する。

 ーーお菓子?

「え?お菓子?和泉、お腹すいたの?だったら……」
「あ、いや。そうじゃないよ。ただ、持ってるかなぁって思っただけだから」

 どうかしたのかと思って聞いてみるけれど、和泉は小さく苦笑を浮かべるだけ。
 何なのだろう……
 そんな風に考えながら、彩雪は答えた。

「そうなの?でも、お菓子は持ってないよ。ごめんなさい」
「謝らなくてもいいよ」
「?」

 お菓子を持っているかと聞かれて、持っていないから謝った。
 けれど、和泉は、謝らなくていいと言う。
 一体なんだというのだろう。
 首を傾げながら和泉の顔を観察していると……

 --あれ?

 不意に、和泉の浮かべる笑みの種類が変わった気がした。

「……持ってないんだよね?お菓子」

 そっか……
 と小さく呟いた和泉が、確認するように再び問うてくる。

「?うん」
「ふふふ、じゃあ……」
「和泉?」

 疑問に思いながらも、和泉の次の言葉を待っていた彩雪の背中を、なんだか嫌な予感が駆け抜けた。

「お菓子くれないなら、悪戯しちゃうからね?」
「えぇっ!?」

 楽しげに浮かべられてた満面の笑み。
 ぎゅぅっと和泉に抱きすくめられて、彩雪は裏返った声を上げた。

 --い、悪戯って、なに?!

 何が起こったか分からず、ぐるぐると思考が混乱しだして、彩雪は目を瞬かせた。
 いや、それより……

「さて、どんな悪戯しようかなぁ……」

 今、自分の顔はきっと、真っ赤になっている。
 顔が熱い。
 何より、どきどきと鼓動がうるさい。

「ち、ちょっと待って!和泉!!」
「待たないよ」

 くすくすと、和泉は楽しそうに、逃げ出そうともがく彩雪を強く抱きしめた。
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