民具整理で出会ったモノたち ◇過去日記ダイジェスト◇ 2005年12月09日 通年ではなかったのですが、民具整理をしていた時に、「さすが地域の寄贈!」と思える面白い民具に数々出会いました。手元に写真は残っていないので、文章のみになりますが、時々、不定期で紹介していこうと思います。第1回 棺桶運びの輿 あまり「面白い」物品ではありませんが…珍品といえるでしょう。座棺を運ぶための輿です。これがまた、大人用と子供用がセットでありまして…ブリキの入れ物に入っていました。倉庫の中は乱雑で、積み上げたり所狭しとおかれたり…どれが何か分からない状況ではあったのですが…、中身はなんだろうと一緒に仕事をしていた学部時代からの友人と、小さい方のブリキの箱を開けたところ…ほんの少し蓋が浮いた瞬間、背筋を悪寒が駆け抜けました!思わず、声も出ないまま手を離してしまいました。直感的に「これはヤバイものだ!」と、それまで全くないと思っていた霊感(こう言うと胡散臭くなるのはなぜでしょう?)らしきものが警鐘を……それでも何とか、ブリキ箱を広いところに引っ張り出し、中から出てきたものを観察してみると…白木作りの輿で、中はあまりしっかりしていない板。簾部分の縁には白地に白糸で鳥の刺繍…いやな予感…鳥は魂を運ぶもの。そして、倉庫の奥を見ると、この小さい輿が入っていたのと似通ったブリキの箱。男性陣にも手伝ってもらって、そちらを開けると、同じような輿が出てきました。後日、大学院の教授に確かめると、嫌な予感は的中!葬送用具の一つ、土葬で使う座棺運びの輿でした。聞きに言ってくれた上、その場で座らされ、自らでサイズを測らされた友人よ…ご苦労様。こんな風に残っていることすら珍しい、葬送用具が寄贈民具として倉庫に入っているのは貴重で興味深いことなのですが…ちょっと……いや、かなり精神的には痛かったです。ちなみに、その倉庫。お昼ごはんを食べていると、誰も居ないところから始終視線を感じるという、怖がりさんには入室をオススメできない倉庫でした。夏向きですね。霊というよりツクモ神?霊感やら何やらについては、また、そのうち書いてみてもいいかな…と思っています。 PR